大津司郎、Go Global Africa塾

Go Global Africa 短信(アーカイブ)

2013年: |〜9.28〜10.5〜10.23〜11.6〜11.22〜12.31
2014年: |〜1.19〜3.3 |〜5.20 |〜9.24
2015年: |〜1.24〜2.18
配信日 内容
2014.5.20

africa pick-up

●Nigeria/BokoHaramの背後にあるもの ①少数民族問題/ボルヌ、ヨベの北部2州に住む少数派民族Kanuriがグループの主体②多数派(Hausa,Yoruba,Igbo)による支配、ナイジェリアの富(石油)の正当な配分が北部にはなされない③結果としての貧困、劣悪な教育機会④イスラム・ファンダメンタリズムによるイスラム国の建設→これらの背景、わけが複雑に絡み合っている+アルカイダとの関係

●S-Sudan/ 2度の停戦・和平合意(1月、5月)は簡単に破棄され戦闘が継続、今もっとも懸念されているのが弱い者たちに起こる飢餓だ、6万人の子供たちが深刻な状況に、さらに7千人の少年兵がリクルートされ戦闘に参加・・・、「ハゲワシと少女(1993年)」の再来か、何故繰り返すのか

●US-AFRICOM 新たな対アフリカ戦略→“fighting terrorizm with mosquito-net”、つまりテロに対してイラク、アフガンのように空爆や大規模陸上部隊を当てるのではなく、“人道的アプローチ”で対応、常に大陸に5000~8000の部隊を展開させておく、しかしこれ(人道的対応)には異論もある

●Mali 再び内戦になるか、北部トアレグの本拠地/Kidalで政府軍と反政府ゲリラ衝突、人質(30人)も取られたが交渉によって解放→紛争・テロの連鎖<サヘル~ナイジェリア~コンゴDRC~ダルフール~南スーダン/南コルドファン~ソマリア>

2014.5.7

focusing.....

◆NigeriaテログループBoko-Haramによって誘拐、性奴隷、売り飛ばされたとされる北部ボルヌ州の300人近い女性徒救出をめぐり、対応の遅い政府に対して市民、民兵(約3000~)からなるJTF(合同機動軍)が独自の活動開始+keyword Abubakar.Shekau(Boko-Haramリーダー) Sambisa Forest(カメルーン国境に近いグループの潜伏拠点の一つ)

◆South Sudan 再三のアメリカの戦闘停止、制裁実施の警告にもかかわらず、SPLA(政府軍) SPLA in Opposition(反政府軍)の戦闘は石油地帯(Bentiu)争奪を中心に続く、おおよその戦いの構図は以下の通り

*政府系<SPLA/政府軍><JEM(ダルフールの反スーダン政府ゲリラ)><SPLA-North(南コルドファン州、ブルーナイル州で反スーダン政府ゲリラ活動をするグループ)>vs<SPLA in Opposition/反南スーダン政府軍><Janjaweed/ダルフールのアラブ系武装民兵><(Sudan 政府??)>→ディンカ対ヌエルの民族対立といわれるが、背景、中身は相当複雑

◆Diboutiジブチ政府とアメリカ政府の間で向こう10年間$38millionで基地のリース契約成立、現在アフリカ大陸唯一の米軍基地レモニール・ベース(元フランス軍基地)には約4000の米軍が駐留、US-AFRICOMを中心に対イエメン、ソマリアのテログループ対応、アフリカ大陸の軍事基地化懸念の声ジブチは、小さいながらも安定し、その戦略的位置から[geographical-gold-mine]と称さる

2014.4.19

from South-Sudan....

世界はあらゆる分野(経済金融/情報通信/環境/テロ/資源/食料etc)で予想を遥に超えた問題を次々に人間と国家、社会に対して提起し続け解決の困難さ、人間の弱さを思い知らせている、つい昨日南スーダンで新たな複雑で難しい問題が突き付けられた 2013年12月以来の戦闘、混乱は一般的に民族対立、資源確保、政治の失敗等が原因とされている ☆4月18日、主にBという民族からなる武装グループが国連PKO部隊(UNMIS)と敷地内に避難している被災民(Aという民族)に対して攻撃を仕掛け戦闘の末、多数が死傷

●PKO部隊に正面切って攻撃したことそれ自体前代未聞

●さらにPKO部隊敷地内に避難している<A>という民族に対して<B>という民族が相当な武力をもって攻撃することもまた前例がない(国連は結果として対立しあう一方の民族を保護していたことになる)

→AとBは数十年来敵対してきたライバル民族であり、昨年12月以来の対立、戦闘でAは反政府ゲリラ側、Bは政府軍側(政府軍そのものではない)で戦ってきた

→国連PKO部隊敷地内に避難していたAは反政府側の民族だ →ではなぜ今回、PKO部隊=国際社会、国連、アメリカの意志を無視、攻撃してまでBはAを攻撃したか、憎しみか、報復か、政治的主導権争いか、何が根底にあるのか

→その前日、Aは最近ずっとBが支配してきたAたちの居住地域にある石油地帯を奪還、敷地内のAたちは歓声を上げ支持した、Bたちは絶対に許せなかった、国際社会のルールを無視してまでも強行攻撃に出た →これは従来にない出来事、パターンだ、このA,B、そして国際社会というCとの関係、だれがどう裁くのか、裁けるのか、しかもCはABに対して平和構築、開発という名の巨額の支援をしている

→このパズルには単なる数式以上に、深く人間の心がインプットされている、お題目の民主主義の到底及ぶところではない、だがこれくらいの予想不可の現実(情報)を知り、対応できない限りこの世界で生き残れない、最も学ばなければならない国、それは日本だ

2014.4.16

africa clips/focus on conflict & humanitarian-crisis

●Sudan/ニュースには上がらないが、ダルフール、南コルドファン(ヌバ)、ブルーナイル州で戦闘激化、あわせて100万近い人間が難民、被災民化、援助の手は十分に届かない

●S-Sudan/数日前、反政府ゲリラグループ、ユニティ州石油施設を奪還、石油会社に対して操業停止を要求、政府軍が石油代金で武器を購入するのを阻止 現在の戦闘で配給ラインが寸断、さらにhealth-networkが崩壊、370万人が飢餓の危機に直面、雨期に入るとさらに状況は困難度を増す

●CAR/2つの対立グループ(SELEKA/Anti-BALAKA)による暴力が続く中央アフリカに駐留する部隊-AU軍6000、フランス軍2000に加え、国連安保理は国連PKO部隊+警察部隊派遣を正式決定

●Nigeria/2013年12月以来、北部3州で、武装グループ・ボコハラムと地域内暴力により1000人以上が殺害される、ボコハラムは隣国カメルーン内に潜伏、基地として越境攻撃

●Kenya/Somalia/テロ容疑で多数の在ケニヤソマリア人が拘束、スタジアム内に収容されている

●AMISOM(AU・PKO部隊)の展開ラインを最大限に伸ばし防御を手薄にする→アルシャバブの新戦略展開か

●US-AFRICOM/現時点でアフリカに展開のアメリカ軍計5000、LRA(神の抵抗軍)掃討軍150から300に

●Africa-Nuclear/経済成長の持続にはエネルギーの確保が必須、将来的に原発の導入?がナイジェリアとケニヤで検討されている(まだ青写真段階)、南アはすでに保有全エネルギーの7%を賄っている